1975年東京都生まれ。2002年広島市立大学芸術学部デザイン工科学科卒業。世界各地でのアーティスト・イン・レジデンス活動を経て、2010年のトーキョー・ワンダーサイト本郷にて吉田夏奈の名で展覧会デビュー。以後、多くの個展、グループ展に参加。2015年 作家名を康夏奈に変更。2020年2月末、東京都庭園美術館「生命の庭」展への出品展覧会の準備をしながら逝去。
「TWS – Emerging 148 吉田夏奈 Beautiful Limit ―果てしなき混沌への冒険―」展示風景/撮影:加藤健
1987年広島県生まれ、千葉県在住。広島市立大学芸術学部彫刻専攻を卒業、テキサスクリスチャン大学美術修士課程修了。古代から伝わる神話や偶像をテーマに、現代社会で一般的に使用されているブルーシートや鉄などの素材を用いて彫刻作品を制作しています。近年の主な個展に「鉄骨のゴッデス」(2024年、ポーラ ミュージアム アネックス、東京)など。「瀬戸内国際芸術祭2016」や「さいたま国際芸術祭2020」など多数の芸術祭にも参加。
久保寛子「鉄骨のゴッデス」展示風景©POLA MUSEUM ANNEX
Chim↑Pom from Smappa!Groupは、2005年に東京で結成されたアーティスト・コレクティブ。メンバーは卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀。現代社会に介入したプロジェクトを通して世界各地の展覧会に参加し、その他にもさまざまな自主企画を展開している。森美術館、Dallas Contemporary、MoMA PS1、Saatchi Galleryなどで個展を開催し、Asian Art Biennale、Manchester International Festival、Alkantara Festival、Biennale of Sydney、Busan Biennale、São Paulo Biennial、Shanghai Biennale、Biennale de Lyonなどの芸術祭にも参加。Centre Pompidou (フランス) 、Solomon R. Guggenheim Museum (米国) 、Hammer Museum (米国) 、M+ (香港) 、東京都現代美術館 (日本) などに作品が収蔵されている。また、福島第1原発事故に伴う帰還困難区域内で2015年から続いている展覧会「Don’t Follow the Wind」の発案と参加や、アーティスト・ラン・スペース「Garter」、ユーモラスでナンセンスな「商品」や「作品」を販売することで使用価値の概念を問いかけるポップアップ・ショップ「KANE-ZANMAI」など、さまざまな自主プロジェクトを立ち上げてきた。コレクティブのメンバー個人でも、新宿にある実験的なアートスペース「WHITEHOUSE」や、多肉植物に特化した園芸プロジェクト「Leggy_」、広島にある多目的のアートスペース「Alternative Space CORE」など、スペースやコミュニティを運営している。これまで十数冊の出版物を発行し、2015年にはPrudential Eye AwardsのBest Emerging Artist of the Year賞を受賞。2022年4月、Chim↑PomからChim↑Pom from Smappa!Groupに改名した。
本展は、宮島の歴史ある寺院・大聖院を舞台とした3組の現代アーティストによる展覧会である。
古代より島そのものが神として信仰の対象とされている宮島。島の寺院・大聖院は、宮島で1200年の歴史をもち、空海によって開祖されたという。厳島神社の背景に広がる弥山に灯された祈りの火は、1200年、絶えず世界を照らし続けている。翻ってわたしたちも、火の燃える間、照らされ続けているのだ。
2025年、被爆80年を迎える。広島は、復興という名のもとに平和の言葉を語り継ぎ、歩みを進めてきた。一方で世界は、現在もいたるところで痛みが止まらない。地政学は最新の傷を更新し、途方もない病を前に、常に絶望の底を揺らぐ。「いま」という地平で、わたしたちは何を手繰り寄せるべきなのだろうか。弥山の消えずの火は、広島平和記念公園の「平和の灯」の火種となっている。火は「エネルギーの一瞬の現れ」であり、形を持たず、燃えるものがなければ消える。これは「無常」や「流動性」とも通じ、人の生き方や思考にも比喩的に結びつく。単なる物質的な現象を超えた、「変化し続ける存在」なのかもしれない。
『風景には、はじまりと終わりがない』と語ったのは、参加アーティストのひとり、康 夏奈だった。宇宙的な観点から見れば、自然の循環、生死のサイクルには、はじまりと終わりがない。はじめと終わりの境界線を脱臼し、状況や現象を結び直すこと。本展は、風景の拡張のように、芸術と鑑賞者、ひいては社会への関係を漂白し、実験と実践の始まりと終わりの間をただようことからはじめる。作品を通して、普遍的な平和の希求と生きることの根元を問いながら、改めて、希望へと橋をわたしなおすものだ。
会期:4月26日(土) – 5月25日(日)
9 : 00 – 17 : 00 (会期中無休)
会場:宮島弥山大本山 大聖院
(住所:〒739-0592 広島県廿日市市宮島町210)
入場:無料
参加アーティスト:康 夏奈、久保寛子、Chim↑Pom from Smappa!Group
キュレーション:戸塚愛美 (インディペンデント・キュレーター、NPO法人BARD)
マネージングディレクター:沖一成
プロジェクトコーディネーター:松元滉之介
宮島実行委員会実行委員長:イタイミナコ
主催:宮島芸術祭実行委員会
協力:森智秋、飯塚俊哉、ArtTank (小平悦子+近藤俊郎)、吉田貴子、gallery G、涌井智仁、中村紗千
お問い合わせ:宮島芸術祭実行委員会 info@mafin.jp
大聖院は、毎日8時、13時に読経を行っています。
読経中は静かにお過ごしいただき、互いに心地よい空間を保てるようご配慮をお願いいたします。
Duration: April 26 (Sat) – May 25 (Sun)
, 9:00 AM – 5:00 PM
Venue: Miyajima Daishoin Temple
Entrance: Free
Artists: Kana Kou, Hiroko Kubo, Chim↑Pom from Smappa!Group
Curated by: Manami Totsuka
Organized by : Miyajima Art Festival Executive Committee
Chairperson of the Miyajima Executive Committee: Minako Itai
Managing Director: Kazunari Oki
Project Coordinator: Kōnosuke Matsumoto
Cooperation: Tomoaki Mori, Toshiya Iizuka, ArtTank (Etsuko Kodaira + Toshio Kondo), Takako Yoshida, gallery G, Tomohito Wakui, Sachi Nakamura
Daishoin Temple conducts sutra chanting daily at 8:00 AM and 1:00 PM.
Please remain quiet during the chanting to help maintain a peaceful atmosphere for everyone.
大聖院は1200年の歴史を持ち、空海によって開祖されました。宮島・弥山の「消えずの火」が広島平和記念公園の「平和の灯」にもつながるなど、火が象徴する「祈り」や「無常」の要素が本展に結びつきます。会場となる大聖院の荘厳な雰囲気、山から見える瀬戸内海の景色も合わせてお楽しみください。
広島ゆかりのアーティスト3組は、これまで広島を活動拠点としたり、展示を行ったり、さまざまなかたちで広島に関わってきました。大きな循環として活躍の場を広げたアーティスト各自の、広島を介したこれまでの物語(=Narrarive)にも迫ります。
2025年、被爆から80年を迎える広島。変わりゆく世界の中で、なお、生きることにどう向き合うのかという問いを投げかけていきます。アート作品を通じて、歴史・社会・個人が交差し、普遍的な平和の希求と生きることの根源的な意味を探る場となるでしょう。
2025年4月26日(土)
15:00 – 16:30
会場:大聖院・大広間
モデレーター:戸塚愛美 (本展キュレーター)
登壇:卯城竜太 (Chim↑Pom from Smappa!Group)、久保寛子、イタイミナコ
参加:無料
定員:20名・申込不要
本展の概要を俯瞰するトークイベント。出展アーティストをお招きし、これまでの広島での活動や出展作品に関する話題、そして今後の活動などについて存分にお話しいただきます。
2025年5月10日(土)
19:00 – 21:00
会場:オルタナティブスペースコア
語り手:権鉉基、カルロス、松波静香、イタイミナコ
聞き手:Chim↑Pom from Smappa!Group
通常、アーティストを語るのはアーティスト自身であることが一般的ですが、今回は広島で各アーティストに関わってきた方々から、活動を振り返りながらアーティストに迫り、像を結んでいくトークイベントです。
5月15日(木) – 20日(火)
10:00 – 18:00
会場:ぎゃらりぃ宮郷
入場:無料
住所:〒739-0554 広島県廿日市市宮島町幸町東表476
MAFINをもっと知るための情報センターを期間限定で開催!出展アーティストの関連情報などを紹介するポップアップ・インフォメーションセンターが宮島街中に登場します。より深く展覧会を知ることができる情報も多数紹介。関連グッズの購入も可能です。ぜひお立ち寄りください。
MAFINとは、広島県廿日市市宮島を舞台とした現代アートの展覧会/アートプロジェクトです。1200年の歴史を有する宮島のお寺・大聖院を起点とし、広島の歴史や文化を継ぎ、紡いでいくための表現を生み出していきます。神の島と呼ばれ、長く聖域として敬われている宮島。被爆80年の節目に、大聖院のダイナミックな時間軸を捉えなおし、アートを介して、普遍的な平和の希求・祈りのあり方を再考していくことを目指します。
人と人、人と芸術を「MAFIN」がつないでいく。「MAFIN」を広島や宮島の鳥居などを想起させる赤(朱)とし、状況や目的に合わせて柔軟にさまざまなカラーを背景に身に纏う。MAFINを通して、芸術がテープのように、さまざまな人や文化、歴史などを継ぎ紡いでいきながら、変化し続けていくことを願って。
ー 林琢真 (アートディレクター)
キュレーター
戸塚 愛美|Manami Totsuka
インディペンデント・キュレーター。公共空間における展示のあり方や観客の設定に関心を寄せ、サイトスペシフィックな展覧会やアートプロジェクトの企画・運営に携わるほか、固有のナラティブを活用した芸術祭や展覧会など、民間企業や行政との協働により社会と芸術をつなげる役割を担う。主な展示に、さいたま国際芸術祭2020「I can speak」展(2020年、さいたま市)。国際的な活動に「Words are Bellows」展 (2024、リトアニア首都ヴィリニュス)。NPO法人BARD代表理事。
Photo by Butautas Barauskas
宮島芸術祭実行委員会実行委員長
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美術作家 / アートメディエーター
イタイ ミナコ|Minako Itai
地域文化を掘り起こし、街が持つ潜在的な可能性や課題に向き合いながら、表現へと結びつける。広島市営基町高層アパートの自治会長として、芸術を介した地域づくりに取り組むほか、同地区のオルタナティブスペース「コア」の理事を務める。広島在住13年の間に、Chim↑Pom from Smappa!Group、康夏奈、久保寛子の制作スタッフとして活動。広島での実践を背景に、地域と芸術をつなぐアートメディエーターとして、展覧会やアートプロジェクトの企画・運営に携わる。
デザイナー
林 琢真|Takuma Hayashi
アートディレクター ・ グラフィックデザイナー。株式会社林琢真デザイン事務所代表。美術や建築の分野のグラフィックデザインを主軸に、書籍・広告・ファッション・⾳楽関連のディレクション、ブランディングやサイン計画など多岐にわたって活動。主な個展に「FIGURATIVE AND ABSTRACT, アムステルダム / 東京 / 横浜」。主な受賞にNew York ADC Shortlist、TOKYO ADC入選、造本装幀コンクール受賞、全国カタログ展受賞など。www.htdo.jp
写真家
藤岡 亜弥|Aya Fujioka
広島県立呉三津田高校卒業。日本大学芸術学部写真学科で写真を学ぶ。文化庁新進芸術家派遣制度でニューヨークに滞在。2013年から故郷の広島を拠点に活動。終戦後70年が経過した広島のいまをとらえた写真集『川はゆく』で2017年第41回伊奈信男賞受賞、2018年林忠彦賞、木村伊兵衛写真賞受賞。2019年に広島文化奨励賞を受賞する。現在東広島市在で過疎化の進む地域で地域おこしに関わりながら写真を続けている。国内外での個展多数。京都芸術大学講師。
宮島弥山 大本山 大聖院へのアクセス
宮島桟橋まで
●電車でお越しの方
JR:広島駅 (JR) → JR山陽本線で「宮島口駅」 (約25分) → 徒歩6分
広島電鉄:広島駅 (広島電鉄) → 広電「広電宮島口駅」(約70分) → 徒歩6分
●自動車でお越しの方
岡山・大阪方面:廿日市ICから約10分
九州方面:大野ICから約10分
※宮島口に駐車後、フェリーをご利用ください。
●フェリーでお越しの方
以下のフェリーをご利用ください。(所要時間:約10分)
JR西日本宮島フェリー/宮島松大汽船
宮島桟橋から大聖院まで
徒歩約20〜30分
協賛・寄付について
MAFIN (宮島芸術祭実行委員会)では、芸術祭の運営や作品制作等にご支援いただける皆さまからの
寄付を募っています。
個人の方・・・・・・・・1口=1万円
企業・団体の方・・・・・1口=5万円
●協賛のご案内
協賛のお申込みからお振込みまでの流れ
① 下記のフォームに必要事項をご記入ください。
② 宮島芸術祭実行委員会より請求書を送付いたしますので、最寄の金融機関より指定の口座へお振込みください。
③ ご入金確認後、領収書をお送りいたします。
協賛お申し込みはこちらから:
https://forms.gle/MyEUZA6zhWgdD4ve8
協賛資料はこちらからダウンロードください:
https://drive.google.com/file/d/1TfPaxVPfC9Z1a3rGK83cYseoQhRSUAdb/view
そのほか、詳細・お問い合わせは:info@mafin.jp までご連絡ください。
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